地鶏焼鳥は、やっぱり自分で作って(刺して)焼いてみたい・・炭の上に脂が落ちて、パッと油煙が立ち昇り、ほのかな炭の香りが焼鳥に・・そんな旨い想像をシミュレーション出来るのも、自分で串を打つから味わえる醍醐味かも・・
代表的な地鶏肉の部位を使った「やきとりの作り方」を紹介します。
各部位ごとの作り方
► み/もも肉 ► み/むね肉 ► ねぎま/首肉
► かわ/首皮 ► ずり/砂ズリ ► きも/心臓
► ぼんじり/三角
➤ み【地鶏もも肉】の作り方
<1>皮付きの地鶏もも肉を使います。
先ずは、もも肉を上ももと下ももに切り分けます。
※上ももと下ももの肉質は違います。下ももは、筋が多く上ももに比べると硬く感じます。
<2>上ももと下ももを25ミリ幅程度に切ります。
※大きさは、任意ですが、小さいより大きい方が良いと思われます。大きい方が中をジューシーに焼き上げられるからです。
<3>上ももと下ももは、共に25ミリ角程度に仕上げて、分けておきます。
下ももは、上ももより、やや小さめに仕上げます。火の通り具合と食感の違いからです。
<4>身の部分から、皮に向かって串を打ちます。
串が焼けてしまうことなく均等に火を通すため、小さめの身から串を打つようにして、下ももと上ももを交互刺しにするようにします。
<5>地鶏やきとり(み/もも肉)の完成です。
串の先端は、少し出るように刺してください。
焼いてる途中に先端の身が取れたり、食感の関係で先端の身は上ももの方がいいです。1本当り40グラム程度です。
➤ み【地鶏むね肉】の作り方
<1>ここでは、淡海地鶏の雌のむね肉を使いました。「かしわの川中」の地鶏の鮮度を活かした調理法を紹介します。
<2>写真の包丁より右側、脂の乗った手羽元部分と、左側のむね肉(てば肉)ハイカットと呼ばれる部分に切り分けます。
<3>手羽元部分を、25ミリ角程度に切ります。
むね肉のハイカット部分は、表面を焼いて(中は生)たたきにして食べると美味しいです。薄く切ってポン酢でどうぞ・・・
<4>3~4切れを身から皮に向かって串を打って、やきとり「み」(むね肉)の完成です。
むね肉のハイカット部分を焼鳥にするときも同様ですが、焼き過ぎたら美味しくないので、大きめに切る事が大事です。
➤ ねぎま【地鶏首肉】の作り方
<1>地鶏首肉と白ねぎを用意します。
首肉は、太いのと細いのがあります。使い分けしますので分けておきます。
<2>白ねぎを25ミリ程度の長さに切ります。
白い部分があまりに太い場合は、写真のように半分に切ります。
<3>地鶏首肉を切ります。
太い首肉は、25~40ミリ程度、細い首肉は、40~50ミリ程度に切ります。
<4>手前より細い首肉、ねぎの青い部分、やや太い首肉、ねぎの白い部分、太い首肉の順に串を打ちます。
首肉、ねぎの青い部分は、2つに折って刺します。手前に細い首肉を刺すのは、串を燃やさず均等に火を通すためです。
<5>やきとり「ねぎま」の完成です。白ねぎが余ったら写真のように串を打ちます。「いかだ」などと呼ばれます。
首肉は、1本当り30グラム程度必要です。
➤ かわ【地鶏首皮】の作り方
<1>首皮を用意します。
淡海地鶏の首皮は、適度な歯ごたえがあり、脂も乗っていて、塩焼にしたら最高です。
<2>皮裏には脂が着いていますので、写真のように包丁でそぎ取ります。
適当で結構ですが、あまりたくさん脂が残っていると焼くときに燃えて、燃えて・・往生します。
<3>写真は、脂をそぎ取った状態です。
うっすら脂が残る程度がベストです。
<4>皮を広げた状態にして、25ミリ幅程度で適当な長さに切ります。
<5>つづれ折に首皮を刺します。仕上がりで30~40グラムが適当です。
<6>やきとり「かわ」の完成です。
1本作るのに首皮は、脂つきで50グラム程度必要です。
➤ ずり【地鶏砂ズリ】の作り方
<1>先ずは、流水で砂ズリをきれいに洗います。
写真のように右、左1個づつ砂ズリの赤い部分をそぎ取ります。
<2>次に写真のように半分に切ります。
<3>同じ様にそぎ取ります。1個の砂ズリから、4個取れることになります。
写真のように青白い筋皮の部分だけが取れるように、頑張ってください。
<4>写真のように、尻尾の部分から串を刺し、串1本で3個のズリを刺します。
このように折り曲げて刺すと焼いたときに隙間が開きません。
<5>やきとり「砂ズリ」の完成です。
大きいままの砂ズリは、1個50グラムぐらいで、4個(約200g)で5本の串が出来る勘定になります。
➤ きも・心臓【地鶏きも・心臓】の作り方
<1>きれいに洗い、写真のように肝から心臓を外します。
心臓は、薄い袋に包まれていますので、取り出して、余分な管や脂を取り去り洗います。
管や脂も美味しいので取り過ぎないように・・
<2>肝を左右2つに切り分けます。
肝を切ったときに血の管があるときは、抜き取ってください。
<3>適当に切ります。
3切れで1本の串となるよう、大きめに切ります。肝は、火が通ったかな?と思うぐらいがいちばん美味しいです。
<4>心臓は、写真のように観音開きにします。
血が固まっていますので、取り除いておきます。管の部分は、大きく切り取って「つなぎ」などと呼ばれ、美味しいです。
<5>心臓に写真のように串を打ちます。心臓2つで1本の串が出来ます。
手で押えて刺すと簡単です。
<6>肝に串を打ちます。
3切れで1本の串になりますが、均等に焼けるよう、手前には、小さめを刺し、置いたときに安定するように、バランスよく仕上げます。
<7>やきとり「きも」と「心臓(ハート)」の完成です。
肝は、2個で200グラムぐらいですが、1本のハート串と4~5本のきも串が出来ます。
➤ ぼんじり【三角】の作り方
<骨を残す場合の刺し方>
<1>突起のある方を上にして、真ん中を通る骨(鶏の尻尾)を外して包丁を入れます。
黄褐色の袋のようなものが脂壷とよばれるものです。
<2>脂壷をきれいに取り除きます。
脂壷は、臭いのできれいに取ってください。
<3>反対側も同様にして、包丁を入れ、開いた状態です。
<4>骨の下側を通過するよう、串を打ちます。
<5>「ぼんじり」の完成品の裏と表です。
骨を付けるのは、少し硬いですが食べれるからで、もう一つの理由は、脂の乗った「ぼんじり」らしさを味わえるからです。
<骨を残さない場合の刺し方>
<1>突起のある方を上にして、真ん中を通る骨(鶏の尻尾)を外して包丁を入れます。
切り取った身に脂壷が残った場合は、ていねいに取り除きます。
<2>同じ向きに裏表も揃え、3個(1羽半分)ずつ刺します。
特に裏表は、揃えておいた方がいいです。表裏では、脂の落ち方が違い焼き上がりに影響します。
<3>「骨無ぼんじり」の完成です。
骨付きに比べ、焼き上がりは、脂がだいぶ落ちてしまいますので、誰にでも喜んでいただけます、通には、物足りないかも知れませんが・・・